こんにちはひまわり歯科クリニックです🌻
力をコントロールする歯科臨床
【特定非営利活動法人日本顎咬合学会 2018年度支部学術大会】
日本顎咬合学会は昨年から「真・顎咬合学」をテーマのもと、顎咬合学を歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士が臨床に応用し、患者さんにお伝えしていくことを目的としている学会である。
2018年度支部学術大会では、様々な角度から顎咬合学についての講演が行われた。
【顎位治療とは】
下顎の位置(顎位)が偏り、顎の位置を決める3つの顎位のバランスが崩れてしまった場合に行う治療。
3つのバランスとは
・咬合位
・顆頭位
・筋肉位 のことである。
【目的】
ブラキサーにおいて咬合力をコントロールするために、MFTによる力のコントロールが
有効であることを、咬合再構成した症例を元に示す。
【材料・方法】
う蝕と過剰な咬合力によって咬合崩壊した患者さんに、治療用義歯で顎位を回復した後に
CTシュミレーションソフト(ノーベルクリニシャン:(株)ノーベル)で診断後に
インプラント治療を行い固定式最終補綴物に移行した。
上顎はオールオン4ope前に、MFTによる力のコントロールを行い、インプラントの微小動揺を抑えた。
また、就寝時には軟性スプリントを使用してもらった。電動ブラシ(キュアライン:(株)ミック)の
使い方を患者さんに携帯アプリに登録することで、日々の磨き方や角度が医院に自動で転送されてくる
システムを用いた。
【結果】
補綴治療によって咬合高径が回復、審美的にも回復した。
プロビ装着中にMFTを行うことで、顔面表情筋のリハビリテーションを行った。
また、ガム咀嚼により、力のコントロールを咀嚼筋に記憶させ、咬合力を安定化した。
電動歯ブラシを処方し自宅でも歯科衛生士の指導を受けることにより、患者さんのモチベーションを
上げることが出来た。
【考察・結論】
プロビジョナルレストレーション中のMFTは、患者さんの咀嚼・嚥下・発音といった機能回復には必須であると考えられる。
また、MFTには歯科衛生士と連携したシステム作りが重要である。
【インプラント埋入後のメンテナンス】
インプラントは埋入して終了ではない。インプラントはチタンでできているので虫歯にはならないが、「インプラント周囲炎」という病気になるリスクがある。
この病気はインプラント患者の約20%が罹患すると推測されている。
インプラント周囲の歯茎や顎の骨などが歯周病菌に冒され炎症を起こすことをインプラント周囲炎と
呼び、インプラント治療後のケア不足で歯周病菌に感染することが発症の主な原因と考えられている。
また、歯根膜のないインプラントは天然歯よりも早いペースで感染が進行してしまう。
この病気は痛みなく進行していくため、インプラントの寿命を延ばすためには日々のケアと歯科衛生士
によるプロのケアがとても重要である。
メンテナンスを怠った場合
・インプラントが抜ける、割れる
・人工歯が取れる、ぐらつく、欠ける、割れる、ヒビが入る
・歯茎が腫れる、出血する、膿が出る
・顎の骨がやせる
などの症状が出てくる可能性がある。
インプラントだけではなく残っている天然歯を守るためにも定期的に歯医者に通い、口腔内の良い状態を維持するためにも必要である。
日々のケアでは歯ブラシだけではなく、デンタルフロス・歯間ブラシなどの口腔ケア用品も使用する
ことで口腔内をより一層清潔に保つことができる。
また、インプラント後のメンテナンスは口腔内の清掃だけではなく噛み合わせのチェックも行う。
噛み合わせに歪みが生じるとインプラントに大きな負荷がかかってしまい人工歯が割れてしまうことがある。そのため適切な噛み合わせに調整し、定期的にレントゲンを撮影しながら検査をしていくことも
とても重要である。
インプラントはメンテナンスをきちんと行えば、メリットの大きい治療法だと思われる。
義歯は違和感があり、外れやすかったり食事もしにくい。ブリッジは両隣の歯を削らなければならない
デメリットがある。担当医とよく相談し、口腔内の状態・費用・モチベーションの問題がなければ
インプラントは患者のQOLを満たすことのできる最善の治療だと考える。
という内容の発表になりますが、
インプラントを永くお使いいただくためには、患者様それぞれのお口の中に応じて、MFT(口腔筋機能療法)や、マウスピースの使用が大切になります。
インプラントを入れて終わりではなく、こうしてインプラント前後のケアを行うことでよりインプラントを長持ちさせることができ、審美的にも美しくなります!
きれいになれば、より口腔内のケアのモチベーションも上がりますのでいいこと尽くしですね☆