急に「虫歯でもないのに奥歯が痛くなった」という経験はないでしょうか?
もしかするとその痛みは親知らずかもしれません。
親知らずが生えてくるときに歯肉や隣の歯を押し出すため痛みを感じることがあるのです。
そんな今回は親知らずについてお話したいと思います。
親知らずとは?
通常前から8番目の上下左右一番奥に生えてくる歯です。前から6〜7番目の歯は第1.2.大臼歯と呼ばれるため、親知らずは、「第3大臼歯」と呼ばれています。 大人の歯と言われる永久歯は通常15歳ころまでに生えそろいますが、親知らずは17歳から25歳ごろに生えてきます。親は子供が小さなころは歯磨きなどでお口の中をチェックしていますが、子供が成長して親が気付かない間に生えてくる歯ということから「親知らず」と呼ばれるようになったそうです。日本だけではなく海外でも親知らずの抜歯は行われています。
4本親知らずがある人もいますが、人によっては親知らずがもともとないという人もいます。(上の歯の親知らずはないが下の歯の親知らずはあるなどのケースなどがあげられます。)
親知らずの抜歯について
親知らずは抜いたほうがいいですか?
良く患者様から聞かれることが多い質問です。以下は抜歯した方が良いケースです。
- 1.歯の一部が露出しているが正しく生えていない場合
歯茎に覆われている部分が炎症を起こしたり、細菌がたまりやすくなり、感染や痛みの原因となります。
- 2.隣の歯に悪影響を与えている場合
親知らずが隣接する第二大臼歯を押したり、圧迫している場合は痛みや虫歯を引き起こすことがあります。
3.虫歯や歯周病になっている場合
親知らずが位置的に磨きにくいため、虫歯になっていたり歯周病になりやすく他の歯に影響する可能性があります。
4.痛みや腫れがある場合
親知らずが原因で周囲の歯茎や顎が腫れたり、嚢胞(液体がたまる袋)ができることがあります。
5.顎や顔の骨への影響がある場合
親知らずが顎の骨に異常な圧力をかけると、顎の骨が変形したり、他の歯列に悪影響を与えることがあります。
虫歯や歯周病になっていたり、何か他の歯に影響を及ぼすような場合は抜歯が必要ですが必ずしも親知らずは抜歯が必要ということではありません。
親知らずの抜歯が必要ない場合
1.正しく生えている場合
親知らずがまっすぐ正常な位置に生えており、噛み合わせが問題なく、他の歯や歯茎に影響を与えていない場合は、抜歯の必要がありません。
- 2.痛みや炎症がない場合
親知らずが生えていても、痛みや炎症、腫れなどの症状がなく、生活に支障をきたしていない場合は、無理に抜く必要はありません。
3.虫歯や歯周病のリスクが低い場合
親知らずがきちんと清潔に保たれており、虫歯や歯周病になるリスクが低い場合も、抜かずに済むことがあります。親知らずをしっかりとケアできていれば、問題が発生しないこともあります。
4.完全に埋まっていて問題がない場合
親知らずが完全に顎の骨の中に埋まっている場合、他の歯や歯茎に影響がない限り、抜かなくても問題はありません。ただし違和感などある場合は抜歯をお勧めします。
最後に
横向きに生えてきている親知らずや完全に埋まっている親知らずの抜歯は歯を抜くために歯を削ったり、歯肉の切開、縫合などが必要で場合によっては大きく腫れる場合もあります。親知らずの痛みや異常に気付いた場合は早めに抜歯することをお勧めします。年齢的にも抜歯が早い方が、問題の大きくなる前に対処出来たり、傷の治りが早かったり、骨が柔らかいので抜歯しやすかったりとメリットは大きいです。
まずはご自身の親知らずの状態はどうなっているのか抜歯した方が良いかなど悩んでいる方がいらっしゃいましたら、検診から受診することをお勧めします。お気軽にご相談ください!