診療・治療情報

2023.07.31

おしゃぶりは常に気にするべき?

🦷1歳までは成長・発達において意義のある行動🦷

 妊娠中期以降のお母さんのお腹の中を3D/4Dエコーで見ると、指をしゃぶっている胎児を見ることができます。指をすいながら羊水を飲み込んでいる赤ちゃんは、出生後にお母さんの乳首や哺乳瓶がすぐに吸えるように胎内で練習しているともいわれています。そのうえ、生まれたばかりの赤ちゃんには原始反射があります。誰かに教わったわけではないのに、生まれてすぐ、お乳やミルクを吸うことができるのはそのためなのです。哺乳にかかわる原始反射には、深策反射(頬や口唇を刺激するとその方向に顔を向け、乳首をさがす)、口唇反射(唇と舌を使って乳首を挟み込む)、吸啜反射(口の中に乳首が入ると吸う)があります。

あかちゃんは、授乳期にそのまま眠ることがあったり、お腹がすいて泣いていたも授乳により泣き止みます。指をしゃぶっている赤ちゃんのほうが、寝つきが良くて激しい夜泣きも少ないといわれ、安定した睡眠にも役立っていると思われます。

 そして、生後5~6か月ごろから物を握れるようになると、自分の手や指をなめるだけでなく、身の回りの衣類や玩具を、なめたりしゃぶったりして形や味を確かめるようになります。この口遊びも、赤ちゃんが発達するうえで必要なことです。 1歳になると、一人歩きやおしゃべりが少しずつ可能になり、行動範囲も広がります。指しゃぶり以外の楽しいことや興味のあることがあれば、やらない時間がふえていきます。卒乳した後も、吸っていると安心するという記憶が残っているため、気分を鎮めたいとき、不安や緊張のある時、眠たいときに指をしゃぶることで気持ちをコントロールしています。つまり、乳児期の指しゃぶりは機能発達面では意義があると、とらえられています。

 心配される保護者の方もいらっしゃるのでしょうが、無理に止めさせることで、下唇や舌を吸ったり咬んだり、歯肉を引っかいたり、髪の毛をむしったり、夜泣きをするなど他の悪習癖へ移行することもあります。3歳を過ぎると、社会性が発達することで恥ずかしいという気持ちからやめる子が増えてきます。それでもまだ続けるということは、子供なりの意味や理由がある場合が多くその気持ちに寄り添ってあげることをおすすめします。

🦷4歳以降も指しゃぶりがある場合は要注意🦷

おしゃべりが問題になるのは、口腔機能や歯列への悪影響が懸念される場合です。口腔内えの影響は指が口腔内に入っている時間と強さが関係します。4歳ごろになっても指しゃぶりがある場合は指導が必要になります。低年齢であっても影響が大きく出ているケースには交叉咬合、上下正中編位がみられ、この場合は要注意です。

 将来的な見通しとしては、幼稚園や保育園に通い始めると、集団生活のなかで社会性も芽生え、恥ずかしいきもちが生まれ自然に止める子が増えます。外遊びや活動が増えることからも退屈な時間が減り、自然に吸う頻度も減るでしょう。指を吸うことの何が悪いのか、口腔内へどのような悪影響があるのかが理解できる年齢になり、さらに言葉の発達によって意思表示ができるようになると、自分の不安をおしゃぶりでまぎらわすのではなく、言葉で表現して解決できるようになります。

 

 

終わりに・・・・・

3~4か月の定期健診でほかの検査とあわせて指しゃぶりのチェックもみていきましょう。指しゃぶりの頻度、時間について変化がないかなどお聞かせください。

 

      🌻ひまわり歯科クリニック🌻

 

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