虫歯は口の中の菌が出す酸によって歯が溶けている状態を指します。菌の中の代表的なものがミュータンス菌という菌になります。ミュータンス菌は糖を栄養として酸を出します。歯の表面についた歯石(プラーク)に住み着き大好きな糖分をご飯にして強力な酸を出して歯からカルシウムやリンが溶けだします。これが虫歯の始まりとなります。
■赤ちゃんは虫歯菌を持っていない?
しかしすべての人が虫歯菌(ミュータンス菌)をもっているものではありません。生まれたての赤ちゃんはミュータンス菌を持っていません。主に感染によって移るといわれているので生後10か月から36ヵ月の間に保護者から移るといわれています。
■虫歯菌を移さないためには?
唾液によって感染するため赤ちゃんにキスをしない、口移しで食事を与えないなど保護者への指導が行われていますが他にも
・スプーンなど大人の使用した食器の使いまわし
・食事を冷ますため「フー」と息をかける
などで感染するといわれているので注意が必要です。
また虫歯菌を持っている保護者は虫歯菌を持っていない保護者より子供が約3倍虫歯になりやすいという研究結果もあるようです。
■感染しないためには?
生まれたときはミュータンス菌を持っていませんが乳歯が出来始める2歳前から3歳ごろまでに感染が増えているようです。ミュータンス菌は硬いところを好むため、今までなかった歯が出来始めたところに住み着き繁殖するためだといわれています。そのためそのころから歯に歯石が付かないように予防することが必要です。3歳までにミュータンス菌に感染しなければ大人になっても虫歯になりにくいといわれているので保護者の方が気を付けてあげることが重要です。
■ミュータンス菌を繁殖させないためには?
ミュータンス菌は糖分を栄養とするため、お菓子やジュースや甘いものを好みます。ミュータンス菌に感染しただけでは虫歯にはなりません。間食が多いと口の中で菌が繁殖しやすいので規則正しい食事をこころがけるのが重要です。またニュータンス菌が作り出すバリアは歯ブラシでは落とすことが難しいため歯医者さんでのクリーニングなどがおすすめです。子供の歯は柔らかいため虫歯の進行が速いといわれているので早めの対策が必要です。
■虫歯にならないためには?
いくつかありますのでご紹介します。
1.フッ素入りの歯磨き粉やジェル、うがい薬を使用する
フッ素は歯に取り込むことで酸に溶けにくい歯にしてくれるといわれています。
2.ミュータンス菌が好むジュースやお菓子を控える。
糖分を控える、間食を減らすなど心がけると菌の繁殖が防げます。
3.丁寧なブラッシング
1か所を20回以上、小刻みに歯ブラシを動かします。食後菌が増えだすので食後30分以内に歯を磨くと効果的です。お子様が小さい場合は保護者の方が歯磨きや仕上げの歯磨きをしてあげてください。
4.キシリトールをとる
キシリトールと言えばガムがありますね。キシリトールは天然の甘味料なので、虫歯菌が酸を作ることが出来ません。噛むことで唾液が出やすくなるので虫歯になりにくく歯垢が柔らかくなるといわれています。
5.定期的に歯医者でのクリーニングを受ける
ミュータンス菌の繁殖の原因である歯垢を取り除くため、歯が生え始めたタイミングから定期的に歯医者でのケアをお勧めします。普段のブラッシングでとり除けない歯垢も歯医者さんでのクリーニングでとり除くことが可能です。3.4か月に一度受診されると歯の状態をより良い状態に保つことが出来ます。
まとめ
虫歯の原因であるミュータンス菌の繁殖を防ぐため3歳までのケアが重要だとお伝えしました。菌に感染していてもこれらを上記お伝えした虫歯にならないための予防を2年間続けることができれば、主な虫歯菌であるミュースタンス菌はいなくなると言われています。定期検診は保険内で可能ですので是非この機会に一度実践してみてはいかがでしょうか?