診療・治療情報

2022.06.27

暑くなると増える「細菌性食中毒」

6月なのに猛暑日が続いてますね。体調を崩されないように、喉が渇いたと思う前に水分補給をする事がオススメですが、甘いジュースを飲みすぎるのには注意して下さい。

炭酸飲料や果汁100%ジュースなど酸性の飲料は、歯の脱灰が進み、虫歯リスクも上がってしまいます。

喉が渇いたら、お茶やお水がお勧めします。

 

ニュースで見た方もいらっしゃるかもしれませんが、

口つけたペットボトル…一番“増殖”する飲料は何だと思いますか?

ペットボトル飲料は一度口をつけて飲むと唾液の中の様々な細菌が飲料に入ってしまいます。

さらにそれを暑い中、カバンで持ち歩くということもあります。

 

宇都宮市は、口をつけて飲んだ「ミルクコーヒー」「麦茶」「スポーツ飲料」「果汁100%オレンジジュース」「緑茶」を30℃に設定した機械の中に48時間放置するという実験を行いました。

この中で、一番細菌が増えたのは「ミルクコーヒー」となりました。24時間で「約1万倍」に、48時間後には「30万倍以上」に細菌が増殖したということです。

 

細菌は、糖分やタンパク質を栄養源として増殖するので、こうした栄養分を多く含むミルクコーヒーで大幅に増殖したと考えられるということです。

2番目は「麦茶」で、48時間後に細菌は「10倍以上」に増殖したといいます。

麦茶は穀物である大麦の種子が原料となっており、炭水化物を比較的多く含むことから、それを栄養に細菌が増えたと考えられます。

ほかの3つでは、細菌が減少する結果となりました。

「スポーツ飲料」と「果汁100%のオレンジジュース」は強い酸性だったことから、細菌の増殖を抑える効果があったと考えられます。

また、「緑茶」は「カテキン」が細菌の増殖を抑制する作用があるため、この働きによって減ったと推測されます。

ペットボトル飲料内の細菌を増やさないためには、次の2つの点に注意するのがいいということです。

(1)口をつけずにコップに入れて飲む

(2)冷蔵庫に保管して、早めに飲む

福岡市保健環境研究所のデータによると、口をつけて飲んだペットボトルの麦茶を「30℃で放置」したものと「4℃の冷蔵庫で保管」したものを比べた実験では、24時間後の細菌の数に「約260倍」もの差がついたそうです。

先日、患者さんから「定期健診は何か月ごとに来ればいいですか?」と聞かれることがありました。

30年間メインテナンスをしたグループ375人を追跡調査した結果、メインテナンスをしていない人たちに比べて、失った歯数が明らかに少なかったという研究報告があります。

 

The long-term effect of a plaque control program on tooth mortality, caries and periodontal disease in adults. Results after 30 years of maintenance
 Axelsson先生の論文ですが、歯周病の臨床家の間では、非常に有名な研究です。

それによると、3か月毎の定期健診と歯のクリーニングが、平均的ですが、患者さんの口腔内の状況に応じて、メインテナンス期間を相談して決めるのが良いとされています。

矯正治療やインプラントをされた方は、1~3か月毎にメインテナンスを受けた方がいい場合もあります。

当院では、患者さんの生活習慣をふまえて、担当医や担当衛生士と相談して決めておりますので、お気軽にご相談下さい。

 

ひまわり歯科クリニック

院長  大平 晃

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